【頭は良くとも成績は悪い】 武：はぁ〜。明日から期末か……。 涼：また赤点の数勝負する？ 武：いや、ここは平均点が下回った方が勝ちというのはどうだ？ 春：虚しい会話してるわね……。 【高性能なんです】 先：茜ヶ崎！　何でお前は十七次関数を、そんなあっという間に解けるんだ！？ 空：何でと言われましても……。 【同一人物？】 空：今から十七年前、この学校に一人の少女が通っていたそうです。その少女はこの学校 　に伝わる、「永遠の命を得る井戸水」の伝承に興味を持っていました。 　　しかし、ある日を境に少女は姿を消しました。学校側は失踪事件として処理しましたが、 　友人達は口々にこう言いました。『永遠の命を求めた末に連れ去られた』と。 春：へぇ〜。結構面白い話ね。 武：ん？　つぐみ、顔色が悪いぞ。 つ：そ、そう？ 武：……？ 【見てみたいらしい】 つ：ねえ、武、涼。あなた達、部活に入る気って無いの？ 武：いや、何か今更って感じだしな。 涼：ぼくも今のままがいいかも。 つ：『美少年部』っていうのがあるんだけど……。 武：どんな部活だ、そりゃ……？ 【ばれなきゃイカサマじゃない】 武：ん？　何だ、あの人だかりは？ 涼：優がゲームで負けたら付き合うって言ったみたい。あ、それときっちり挑戦料とって 　るんだって。 武：あいつに勝てる訳ないだろ……。 【深いんだか浅いんだか】 武：でだ。何故お前が正義と真実を宗とすべき新聞文芸部に所属してるんだ？ 春：あら？　いつの世も報道機関は事実を歪める為に存在するのよ。 武：……。 【夢でも追われてたりして】 ？：はぁ〜、倉成はいいよな。可愛い幼馴染み、優しい先輩、知的な委員長と色々な方面 　から慕われまくっててよ。 涼：ま、本人は悩みの種としか思ってないみたいだけどね。 武：ZZZ……。 【あまり触れないで】 先：それでだ。生物の遺伝子内にはテロメアと言う部分があって、別名は『命の回数券』 　と言う。つまりこれが無くなった時、その細胞は分裂出来なくなる訳だ。もし仮にこの 　テロメアを再生することが出来れば、不老不死も夢じゃないかも知れんが、あと何百年 　掛かることやらだな。 つ：……。 先：小町、顔色が悪いがどうした？ つ：い、いえ……大丈夫です……。 【もしや……】 武：この学校には昔、目測で三センチはある本を三十分で読む女生徒がいたらしい。 つ：……。 武：彼女は侍を求めて街を徘徊したり、女性の敵たる痴漢を護身術で撃退したりと、色々 　伝説を残している。 涼：何者？ 【生きた神話】 武：まあ、そんな彼女が今はここで司書をやっているという噂だが、真相はどうだかな。 ？：図書室では静かにしてください。 【だってチャミだし】 武：そういや、妙なあだ名を付けて困らせてる奴もいたって話だな〜。 涼：つぐみと勝負させてみたいよね。 つ：どういう意味よ……？ 【彼女が部長か？】 武：暇だな〜……。 つ：だから『美少年部』……。 武：却下だ。 春：じゃあ、『電波部』なんてどう？ 武：また謎のもんが出てきやがったな……。 【たけぴょんは風邪ひかない】 先：風邪が流行っているみたいだ。みんなも気を付けるように。 涼：学級閉鎖とかは無いんですか？ 先：うちの学校にそういうのは無い。例え五人になっても強行する。 武：そんな！　居眠りなんかしたらバレバレじゃないですか！ 先：お前はいつでもバレバレだ。 【わざとか否か】 つ：胸が大きいと、弦を引く時、かなり邪魔なのよね……。 春：……（泣）。 【健康第一】 空：倉成さん。購買には余所では絶対に見かけない、謎の物体が必ずと言っていいほど 　置かれていますよね。 武：ああ……何だ、この『コラーゲン入りウコン茶』って。ここは高校だぞ。 春：私、愛飲してるけど。 空：……。 武：……。 【結局いつでもいい】 武：はぁ〜。冬が待ち遠しいな〜。 涼：あれ？　武は露出が多い夏の方が良いんじゃないの？ 武：それもそうなんだが、「寒い中、身を縮めて両手に息を吹き掛ける女の子」とか、 　「上は完全防寒なのに、ちょこっとだけ見える太股」っていうのも悪くないなと 　思ってな。 涼：あ、それはそうかも。 春：あんた達……。 【判断保留】 涼：武。何だか武達が表彰される……って言うか文化遺産に認定されるらしいよ。 武：はぁ？ ？：倉成武殿。貴殿は今や絶滅の危機に瀕しているコテコテの学園ラブコメを地で 　行き、我々庶民に勇気と笑いを与えてくれたことをここに評する。 ？：おめでとう。 ？：おめでとうございます。 武：喜んでいいのか……？

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